—噛み合わない上司と働くということ—
「もう少し工夫できるよね?」
その一言に、何も返せませんでした。
■ 正直、頼れるタイプではなかった
その上司は、いわゆる“仕事ができる人”ではありませんでした。
指示は曖昧で、判断も遅くて、
現場の状況もあまり把握していない。
話を振っても、結論が出るまでに時間がかかり、
結局こちらで決めたほうが早いことも多い。
でも、なぜか評価は悪くない。
発言だけは妙に自信があって、
会議ではそれらしく話す。
その“ズレ”に、最初は戸惑っていました。
■ 会話が噛み合わない
子どものお迎えを夫に絶対頼めない日、
「◯日は遅出で出勤できません」と伝えたとき、
その瞬間、違和感がありました。
上司はこう言いました。
「工夫次第でなんとかなると思うけどな」
「みんな同じ条件でやってるしね」
——いや、同じじゃない。
でも、その言葉は飲み込みました。
■ 何も見ていないままのアドバイス
その上司は、私の一日の流れを知りません。
朝どれだけバタバタしているかも、
どこで時間を削っているかも、
どこで限界を感じているかも。
それでも、平気で言うんです。
「まだできることあるよね」
その言葉は、アドバイスというより
“確認していない断定”に近いものでした。
■ 的外れなのに、止まらない
ある日、調子はどうかと聞かれたので、
「早出遅出の負担が少し大きくて」と伝えると、
「そんなに難しい?」
「優先順位つけたらいいんじゃない?」
「無駄な時間減らせばいけるよ」
「やり方の問題だと思うけどな」
と言われました。
でも実際には、
・優先順位はすでに整理している
・無駄な作業もほとんどない
・これ以上削る余地がない
むしろ、限界に近い状態でした。
それでも話は終わりません。
こちらの状況には触れず、
“改善できる前提”だけが続いていく。
■ その日の帰り道
その日、いつも通り時間ぴったりに退勤しました。
保育園に向かいながら、
頭の中で上司とのやり取りを何度も思い返していました。
「そんなに難しい?」
その言葉が、ずっと残っていました。
難しいから相談したのに、
その前提ごと否定されたような気がしました。
■ 感情が見えない怖さ
一番しんどかったのは、
その上司の“反応のなさ”でした。
・困っていることを伝えても表情が変わらない
・負担の話をしても共感がない
・ただ「改善できるよね」と返ってくる
怒られているわけではない。
でも、何も感じていないようにも見える。
その感じが、少し怖かったです。
■ 「努力が足りない」という空気
その上司の言葉をまとめると、
結局こういうことになります。
「もっとやれるよね」
それがずっと前提にある。
だから、
できていない=努力不足
という空気が、自然とできていました。
■ 私の中で起きていたこと
気づけば私は、
「これ以上言っても無駄かもしれない」
「説明しても伝わらない」
そう思うようになっていました。
本当は共有したほうがいいことも、
あえて言わないようになる。
必要最低限だけ伝えて、
それ以上は踏み込まない。
そんな関わり方に変わっていきました。
■ 分かり合えない人もいる
この上司と話していて思ったのは、
「分かり合えない人もいる」ということでした。
前提が違うだけじゃなくて、
そもそも見ているものが違う。
だから、どれだけ説明しても
噛み合わない。
■ 最後に
悪気があるのかどうかは、正直分かりません。
ただひとつ言えるのは——
何も見ていない状態でのアドバイスは、
ときに強いストレスになるということです。
もし今、同じようにしんどさを感じているなら、
それはあなたの努力が足りないわけではありません。
ただ、
“相手が見えていないだけ”かもしれません。
無理に理解してもらおうとしなくてもいい。
まずは、自分が消耗しすぎないことを大事にしていいと思います。


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