「制度はあるけど、使えるとは限らない」

育休復帰

—復職しなかった同僚と、何も変わらない職場の話—

同僚は、育休から復帰しませんでした。

理由は、表向きは「家庭の事情」

でも、それだけじゃないことを、私は知っています。


■ すべて“整っている”はずだった

職場には、一通りの制度がありました。

・育児休業(原則1年最長2年)
・時短勤務制度(最短6時間まで時短可)
・年5日使える看護休暇(時間単位で取得可)
・配慮が必要な場合の相談窓口

紙の上では、何も問題がないように見えます。

むしろ「働きやすい職場」と言われる側でした。


■ でも、誰も使っていなかった

制度はありました。

でも、それを“使っている人”はいませんでした。

・時短を取る人はいなかった
・残業しない人は難しい
・実際相談担当は今はいない
・看護休暇実際は時間単位は難しい

誰も明確に否定しない。

でも、“歓迎もされていない”空気がありました。


■ 何も言われていないのに、伝わってくるもの

同僚がぽつりと言ったことがあります。

「ダメとは言われてないねん。でも、無理って分かる」

その言葉が、ずっと引っかかっています。

制度としてはOK。

でも実際には、成立しない。

そんな状態でした。


■ 決定的だったやりとり

復帰前の面談で、こんな会話があったそうです。

上司:
「制度としては問題なく使えますよ」

少し間を置いて、こう続けたそうです。

「ただ、現場的にはみんな協力して回してるので」


その一言で、全部分かってしまったと。

「あ、これ無理やなって思った」

そう言っていました。


■ “配慮”の正体

その職場では、「配慮」は確かに存在していました。

でもそれは——

“特別扱い”に近いものでした。

・誰かに負担が偏ってしまう
・その分、気を遣うことになる
・結果として、制度を使いづらくなる

制度はあるのに、使えば苦しくなる構造。

それが一番しんどい、その人は言っていました。


■ そして、誰も止めなかった

同僚が退職を決めたとき、

引き止める声は、ほとんどなかったそうです。

「仕方ないよね」
「子どもいたら大変やもんね」

優しい言葉に聞こえるけど、
どこか“当然の結果”として受け入れられている感じ。

それが、逆に怖かったです。


■ 何も変わらない職場

同僚が戻ってこなくても
職場は何も変わりませんでした。

同じように仕事が回り、
同じように制度は“存在”しています。

まるで、最初からいなかったかのように。


■ 私が感じた違和感

私はその光景を見て、思いました。

「このままだと、また同じことが起きる」

制度があることと、
それが機能していることは、全く別なんだと。


■ 最後に

同僚は、復職しませんでした。

でもそれは、「できなかった」からではなく、
「できる状況じゃなかった」からだと思います。

そしてその状況は、
今も変わっていません。

もし今、同じように悩んでいるなら——

違和感は、きっと正しいです。

見ないふりをしなくてもいい。

その感覚を、大事にしていいと思います。

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