4.“配慮も調整も一切しない”と言われた現実と、外部相談という選択

育休復帰

突きつけられた条件

これまでのやり取りの中で、会社から提示されたのは、はっきりとした内容でした。

・早出:週に2日  ・遅出:週に3日

つまり、

早出か遅出のみの勤務になるシフトです。

もちろん土日もおかまいなく入っていました。

そして、それに対する配慮や調整は——

「一切しない」

“時短”という名の別物

例えば、早出の日。

7時から勤務ということは、

6時に子どもを預ける必要があります。

現実的に、その時間に対応できる保育園はありません。

一方で、遅出の日は22時まで。

子どものお迎えはどうするのか。

そもそも、その時間まで預けられるのか。

いや、19:30が最遅だった…

考えれば考えるほど、

成立しない前提で組まれていることが分かりました。

選択肢は、なかった

正直に言って、

“話し合い”という感覚は、もうありませんでした。

条件はすでに決まっていて、

あとはそれを受け入れるかどうか。

ただ、それだけ。

子どもの送り迎えがある以上、

このシフトで働くことは現実的ではありません。

でも、それでも。

「できません」と言えば、

今の働き方を続けられない可能性がある。

分かっていても、受け入れられなかった

会社の事情があることも、分かっています。

24時間動いている現場。

人手が必要な時間帯があること。

でも——

だからといって、

何の配慮もなく、同じ条件を求められることに、

どうしても納得ができませんでした。

私は15年間で人手不足のところに3回異動し、法人のチカラになってきたつもりでした。

一人で抱えるには、重すぎた

これはもう、

自分ひとりで抱えていい問題じゃない。

そう感じました。

夫には相談していたけど…

制度のことも会社のことも私の方が詳しい。

考えれば考えるほど、

答えが出なくなっていく。

外に頼るという選択

だから私は、

外部に相談することを決めました。

最初に連絡したのは、労働基準監督署です。

正直、「ここに相談する内容なのか?」という迷いはありました。

それでも、誰かに聞いてほしかった。

とても親身になって聞いてもらえました。

記録をとっておいたのでコピーを取ってもらいました。

実際に話をする中で、

今回のようなケースでは別の窓口に相談するように教えてもらいました。

もう一歩踏み込んだ相談先

次に相談したのは、

都道府県労働局雇用環境・均等部(室)です。

ここでは、育児と仕事の両立という観点から、

より具体的な話を聞くことができました。

そして——

初めて言われた言葉

「それは、おかしい可能性がありますね」

その一言で、

張り詰めていたものが少しだけ緩んだ気がしました。

見え方が変わった瞬間

それまで私は、

自分が無理を言っているのかもしれないと思っていました。

でも、違う視点から見てもらうことで、

初めて状況を客観的に捉えられるようになったんです。

ただし法律上は違法ではないので指導を入れるのは難しいとのことでした。

辞めた上司連絡してみた

どうしても引っかかっていたことがあって、

ひとり、思い出した人がいました。

以前とてもお世話になっていた上司です。

少し前に転職されていて、

理由は詳しく聞いていませんでした。

でも、なんとなく。

今の状況と、無関係じゃない気がしたんです。

正直、連絡するか迷いました。

もう辞めている人に、

今さら何を聞くんだろうって。

それでも、勇気を出して電話して状況を簡単に説明しました。

復帰の話がうまくいっていないこと。

早出や遅出の条件が現実的じゃないこと。

そして、どうしたらいいのか分からなくなっていること。

少し間があって、返ってきたのは——

「どうすることもできない自分が嫌になってしんどかったから法人辞めた。」

一瞬、息が止まりました。

さらに続いた言葉は、

どこか淡々としていました。

「現場のこと考えたら仕方ないって言われ続けてな」

「何言っても、福祉はビジネスやからって切られて」

「Sさんが辞めたのもそれが原因」

個人の問題じゃなかった

それまで私は、どこかで思っていました。

自分の伝え方が悪いのかもしれない。

タイミングが悪かったのかもしれない。

私は必要のない人間なのかもしれない。

でも、その言葉を聞いて、少しだけ分かってしまったんです。

これは“個人の問題”じゃない。

もっと前から、同じように苦しんでいた人がいた。

知ってしまったからこそ

知ってしまったことで、楽になった部分もありました。

でも同時に、

簡単には変わらない現実も見えてしまいました。

それでも——

このまま何もせずに終わるのだけは、

やっぱり違うと思ったんです。

もう一度、向き合うために

このまま終わらせるのではなく、

もう一度、きちんと向き合おう。

そう思えたのは、

一人じゃないと感じられたからでした。

このあと私は、

相談で得た情報をもとに、

もう一度文書を作ることにしました。

今度は、曖昧にせず。

はっきりと、問い直すために。

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